#2 講談師 神田織音さんに聞く

「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2016」では中華料理店「縁香園」で神楽坂を舞台にした講談を演じて拍手喝采となった神田織音さん。大好評につき今年も登場していただきます。神楽坂とはなにかとご縁があり、大久保通りに面した「ココットカフェ」というオシャレなカフェでは、2つ目の時から13回ほど講談を演じていますし、毘沙門天書院での公演もあり、なにかと神楽坂にご縁のある神田織音さんににお話をうかがいました。

――今年で2年目の出演になるのですね。前回はどんな演目をされたのですか?

前回の演目は「百姓誉仇討(ひゃくしょうほまれのあだうち)」でした。江戸の天明年間に神楽坂でおきた仇討事件の実話を講談にしたものです。長年、神楽坂にお住まいで講談や落語のことを調べたり書いたりされている山口則彦さん作のネタを一席演じさせていただきました

――そこでも神楽坂とのご縁が深いのですね。

そうなんです。地元神楽坂を舞台にした本当にあった話なんです。起った当時は江戸中がこの仇討事件の話題で持ちっきりになったとの記録が残されているんですよ。

――「縁香園」に集まった人たちを前に演じながら、どんな感じを持たれましたか?

いつもの寄席とはちがう中華料理店で、雰囲気はちがうのですが、まちの人たちの伝統に対する熱い思いのようなものをひしひしと感じました。

――さて、今年の演目は? 決まっていましたら教えていただけますか?

まだ未定なんです。ただ会場は決まっていて、毘沙門天善國寺の境内に設けた辻講釈場なんです。実は私、辻で講談をやったことがなく、少し不安なんです。昔の辻講釈は、たしかに辻で立ってやっておりましたが、それはちゃんと聞けるイスの用意などもありました。毘沙門天の境内の講釈場とは少し事情が違うようで、私が写真で見せていただいた限りでは、お客さまは立ち見で、お祭りのブースのような感じでした。でも皆さん熱心に集中しておられるようでしたから、心配はないと思います。

――開催日5月11日の土曜日で、神楽坂通りは歩行者天国ではないので、野外の大きな音が絶対に飛び込まないとは言えないですね。その時は困りますよね。

その時は、その時です。私はアドリブができない人間で、芸はカチッと決めてからでないとできないのです。ですから、おっしゃるような万が一のことがあった時は、私の困った時のあたふたしたさま、驚いて思わず素が出た表情を、皆さんに楽しんでもらうしかないですね。それもまたおもしろい経験になるかと思います。

思わぬ楽しみも加わった織音さんの講談、ますます熱いファンが増えそうですね。

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