#1 赤城神社 風山栄雄宮司に聞く

牛込総鎮守様として、約700年の歴史を持つ赤城神社は、神楽坂下の毘沙門天善國寺と並んで、「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」の2大メイン会場となっています。第3回目からは、「赤城神社 夕暮れライブ」の会場として思い出深い数々の名シーンを参加者に残してくれました。そこで会場の使用に関して理解と協力をしてくださった宮司の風山栄雄さんにお話をうかがいました。

――毎年、風山宮司のご厚意で、神楽殿などをライブの会場としてお貸しいただいてきたこと、心より感謝いたします。中でも神楽坂の最も高台にあり、夕景の美しい神楽殿周辺をお借りしての夕焼けライブは、私たちイベントのフィナーレ会場として、これ以上ふさわしい場所はないものと感じています。景色がイベントの大切な演出効果を出してくれています。

神社がこの高台の場所に建てられたということ自体、昔からの展望が美しかったからでしょうね。今はビルが増えてだいぶ景色も変わりましたが、昔は早稲田方面がよく見えて収穫の秋には金色の穂波がどこまでも美しく、時にはキツネもあらわれたそうです。

――会場が神社ということで、私たちはいろいろ使用に関して、気を付けているつもりですが、いたらない点も多かったと思いますが……。

場所が神社境内であり、観客の皆さんも、演奏家の方々も、神社の境内ということにもう少し配慮してもらえるといいのですが。たとえば見学に来られる人たちも、公園に遊びに行くのと変わらない感じでやって来られる。拝殿を拝もうという人は少ないですね。演じる人達の中にも拝殿におじぎをする人をあまり見かけない。これもちょっとさびしいですね。最近、テレビのロケ地や雑誌の撮影場所などに赤城神社を使用されることが多く、そのこと自体はありがたいのですが、それらのスタッフの皆さんは「番組のヒット祈願」とか「制作の無事完成祈願」などをされてから利用されています。神社は、本来、身を清めてから来られる場所です。伝統芸能をあつかうイベントなので、この点は配慮していただきたいですね。

――宮司の指摘されることは、今後スタッフのみならず、出演者や来場者にも同じ思いでイベント開催ができるよう大いに生かしていきたいと思います。また、今年から、神社境内の利用方法が、風山宮司のご提案をきっかけでやり方が変わったとお聞きしていますが。

昨年までは、拝殿の脇に建つ神楽殿を演奏ステージにしていましたが、多くの演奏者が上にあがると窮屈に感じられました。また一般の参拝客はいつでも参拝ができるように、拝殿までの導線を確保しておかなければなりません。それがいままでのステージの作り方だと混雑時に参拝者の導線が確保しにくくなってしまいます。そこで思いついたのですが、階段の最上の二段分のおどり場を舞台にして、演奏者は大鳥居に向かって演奏する方が、観客も多く入れて、しかも演奏者は自由に広い階段上のスペースがを使えると思ったのです。今年も「赤城神社 夕暮れライブ」は、例年通り神楽殿をお貸しする予定ですが、それ以外の演奏はこの方式で会場設営をすることになったそうですね。

――はい、取り入れさせていただきました。すばらしいご提案をありがとうございます。さらに今年は素敵なサプライズがあるとお聞きしていますが。

偶然なのですが、イベントのある日に結婚式が入っていまして。境内の階段下から新郎新婦、両家の人々が階段を上がってくるセレモニーがあります。“参進”というのですが、いつもですと、赤城神社の雅楽の奏者が、演奏しながら誘導するのですが、当日はイベントの出演者たちがそろって祝福を兼ねた「演奏のプレゼント」をしてくれることになったのです。新郎新婦も喜んでそれを受け入れているので成立したサプライズなんです。

――今年は、公式プログラムに書いてない楽しみもあるということですね。ありがとうございます。

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